日々のぼやき

No.1070

あた面 #SS

「面堂」
「なんだ」
「キスしよ」
「しない。忙しい」
「本読んでるだけだろーに!」
「明日までに読み切りたいんだ」
「なら明日読み切ればいいだろ」
「言葉が悪かったな。日付が変わるまで、と言い直そう」
「なら日付変わるまでまだ時間あるぞ、ちょっとくらい良いではないか」
「だめだ、ちょっとで済むとは思えんからな」
「ど〜〜しても今はだめなの?」
「そういう気分じゃない」
「おれがこんなに頼んでも?」
「……」
「面堂。面堂ってば。聞いてるのか?」
「あ〜もううるさいなあ〜!気が散って本が読めんじゃないかっ!」
「ふっ、どーせ読めないなら、おれと遊んだほうが建設的な時間の過ごし方をできるとは思わんか?」
「アホかっ!きさまが黙ればすべてが解決するだろ〜が!」
「おまえがおれとおとなしくキスすればすべてが解決するの間違いだろ」
「……そんなにしたいのか?」
「うん」
「一応聞くが、キスだけで済ます気はあるのか」
「いや?全くない」
「はぁ……」
「正直だろ、おれって」
「明日は他の予定もあるから…あんまり無茶なことするなよ」
「お、いいの?」
「きみがしつこいからだ!」
「じゃあ、明日までのおまえの時間は今からおれのものだな」
「ふん、ぼくがきみにぼくの時間を恵んでやるんだ。感謝しろ」
「い〜から、ちょっと黙っとけ」
「ん…っ…」
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