日々のぼやき

No.579

ツリー表示 #SS


面堂家でやってた誕生日パーティーから「二度とツラを見せるな!!」って言って叩き出されてあたるも一旦帰るんだけど、帰ってからやっぱり面堂が泣いてたことへの罪悪感でもやもやしてテンちゃんにやつあたりとかしてるから、見かねたラムちゃんが「気になるなら終太郎に会いに行けば…」って言う
そうしたらかえってよけいに「誰があんなヤツのことなんぞ気にしとるか!!」って突っぱねてとりあえずガールハントに出るんだけどちっとも楽しくなくて、夕方くらいに商店街ふらふらしてるときになんとなくタイヤキ二個買って、でも食べるでもなく膝に乗せてベンチでぼーっとしてて、日が暮れた頃にようやく歩き出すんだけど家に帰るんじゃなくて面堂家に向かってて
こっそり黒メガネに部屋の方まで入れてもらったら、部屋真っ暗で窓だけ開いてて机のとこで突っ伏してる面堂がいて、声かけたら怒るかなと思って黙ってみてたら先に向こうが気づいて「何しに戻ってきた、二度とツラを見せるなといったのがわからなかったのか」って静かな声で言うからあたるも困った挙げ句に無言でたいやきの袋を面堂の前にぽいって置く
「なんだこれは」
「……たい焼き」
「……なんのつもりだ?」
「………、……おまえが…食うかなと、おもって」
「……………」
反応ないし余計に怒ったかなと思ってたら面堂が袋の中開けてたい焼き出して、一口食べるからあたるもちょっとびっくりする
「冷めてる」
「まぁ…買ったのだいぶ前だし」
「ぼくはこしあんのほうが好きだ」
「つぶあんしかないんだよあそこは、ぜーたく言うなよ」
「…ほら」
「……あ、いいの?」
「いいのって……きみが買ったんだろう、これ」
「そーだけど」
「こんな冷え切ったたい焼きふたつも食べてられん」
「うん」
「それを食ったら帰れよ」
「あのさ……」
「なんだ」
「怒ってないの?」
「いまは、怒ってない」
「…なんで?」
「怒っていたほうがよかったか?」
「いや……」
「なら別に構わんだろう」
「………これ、ほんと冷たいな…」
「そうだな」
「おまえは別に無理して食わんでも…」
「こうなるまで、外にいたんだろう、きみは」
「え?」
「だから……いいんだ」
「よくわからん」
「そうだろうな」
「面堂…」
「ん?」
「これ食べたあと…もうすこしいてもいい?ここに」
「勝手にしろ」
閉じる

あた面